焼酎が飲まれるようになったのはいつごろか?

十数年前に続けて3回鹿児島に行く機会がありました。鹿児島県は魅力に富んだ県で大好きです。それからいも焼酎を飲むことになりました。それまでは日本酒など醸造酒(発酵させただけのお酒)しか飲まなかったのですが、すっかり焼酎のおいしさのハマッテしましました。

さて、いつごろから焼酎が飲まれるようになったのでしょうか?
数回に分けてお知らせしたいと思います。

1.いつごろから飲まれるようになったか?

2.江戸時代の焼酎

3.なぜ、鹿児島は唐芋焼酎になったの?

4.芋焼酎の発展

5.麹(こうじ)のタイプ

6.焼酎の分類

7.焼酎の飲み方と相性の良い料理

1.焼酎が飲まれるようになったのはいつごろ?

 日本で初めて焼酎が製造されたのは、琉球王朝の時代で、15世紀末の頃だと言われています。これが、後のいわゆる泡盛です。

 昭和34年、鹿児島県北部に位置する大口市の郡山八幡神社が解体修理されたときに一枚の棟木札が発見されたのですが、それにはこう書かれていました。


 「其時座主ハ大キナこすでおちやりて 一度も焼酎ヲ不被下候 何共めいわくな事哉」(けちな施主は一度も焼酎をふるまわなかった。なんとも迷惑なことである)
 永禄二年(1559年)の日付があり、同神社の改築が行われたときにかりだされた大工の落書きとされていて、もっとも古い文字になります。時代は? というと翌年に織田信長と今川義元の桶狭間の戦いが行われた頃です。

 それより前の1546年、薩摩半島南端の山川港に来航したポルトガル船の船長が、フランシスコ・ザビエルに布教のための詳しい見聞記「日本報告」を書き送っているのですが、そのなかに「飲み物として、米からつくるオラーカ(蒸留酒)が飲まれていた」ことが記されていました。もっとも古い記録です。いずれにしても薩摩の南と北で焼酎が飲まれていたことは明らかなようです。

 そこで、焼酎の歴史は? というと当然、それ以前からつくられていたことになるので、およそ500年前ということになります。 

2.江戸時代の焼酎

 薩摩藩主の島津氏は焼酎を南蛮渡来の高価なものとして、室町時代から将軍家への献上品の一つにしていました。そのころは米焼酎です。
 江戸時代、島津家久は琉球王朝(奄美、沖縄)を侵攻の末に降伏させた後、駿府の徳川家康に琉球酒を献上しました。この琉球酒には奄美の黒糖焼酎も含まれていたようです。当時、米より貴重な黒砂糖が原料だったことなどもあって、これらは庶民が口にできない高級酒だったわけです。

 その頃は単に飲用としてだけでなく、薬用としても珍重されていたそうです。食中毒や暑気あたりの特効薬として飲んだり、刀傷の消毒に使われたり。浅野内匠頭に切りつけられた吉良上野介の額の傷の手当ても焼酎でされたとも言われています。

 このように焼酎が広く知られるようになると、大名が国元で刀傷の消毒などのために清酒粕(かす)を原料とした「粕取焼酎」をつくらせ始めます。そして清酒業の副業として広く行われるようになるのですが、これは薩摩の焼酎や琉球酒のような「もろみ取り焼酎」とは違ったものでした。これらを区別するために、当初は「焼酒」と呼んでいたものを「泡盛」と後に薩摩が命名したという説もあるようです。尚、薩摩の焼酎も泡盛も明確な区別はされていなかったとも言われています。

 いずれにしても当時の京や江戸の知識人たちの認識不足も手伝って「焼酎とは清酒の粕を蒸留したもので、薩摩には焼酎に似た泡盛という強い酒がある」とされてしまいます。

3.なぜ、鹿児島は唐芋焼酎になったのでしょう?

 鹿児島では、今日、唐芋焼酎が一般的です。唐芋とはさつまいもの鹿児島での呼び名で、17世紀の初めに沖縄から唐芋焼酎が伝わってきたのを境に、唐芋焼酎が作られ始めたと考えられています。鹿児島のシラス台地という唐芋栽培に適した土地柄もあって、急速に唐芋焼酎作りが広まったようです。

 実際に、唐芋焼酎を本格的に作り始めたのは、18世紀初頭、前田利右衛門という人が、琉球から唐芋の苗を鹿児島山川に伝えた以降の事だと言われています。要するに、庶民の酒である焼酎作りの原材料に高価な米を使う事は、勿体なかったというのが、唐芋焼酎になった原因のようです。

4.芋焼酎の発展

 一昔前までは「芋くさい」と言われ、地元以外ではほとんど人気のなかった芋焼酎ですが、ここ数十年前からの技術改良によりどんどん洗練されてきました。

 原料の芋へのこだわり、もろみを焦がさない蒸留技術の進歩などの丁寧なつくりへのこだわりが芋焼酎から雑味や嫌な臭いを除き、芋焼酎本来の魅力を際立たせることができるようになったのです。

 その結果、芋焼酎ならではの甘い香りと深いコク、蒸留酒ならではのすっきりした後口はさながら、それぞれが実に個性的であり、知れば知るほど、味わいに広がりがあるという特徴にすっかり虜になってしまった「芋焼酎ファン」が急増してきました。

5.麹(こうじ)のタイプ

 進化を続ける芋焼酎ですが、さまざまなタイプの芋焼酎を意識して飲み比べるのも面白いもの。例えば、焼酎に旨みを加える麹には、黒、白、黄の3種類の麹菌が使われます。

 黒麹は香ばしく力強いコク、白麹なら口当たりよくやわらかな甘み、黄麹ならフルーティーでさわやかなキレをもたらずといったように、3種それぞれが独自の個性を持っています。その他、原酒や無ろ過、初留取り(はつどめ)といった製法の違いでも、味が異なってくるので、また異なったバリエーションで焼酎を楽しむことができます。

6.焼酎の分類

 焼酎の「焼」は加熱の事で、「酎」は重醸、造りかえした濃い酒の意味だそうです。焼酎は、大別して二種類あります。

1) 焼酎乙類(本格焼酎)
元々造られてきた焼酎で、米や麦、唐芋、トウモロコシ等のでんぷんを麹で糖化すると同時に酵母で発酵させ、そのもろみか、もろみを搾った後の酒粕を単式蒸留器で蒸留したアルコール分45%以下のものを酒税法上、焼酎乙類と言い、本格焼酎と呼ばれます。

 また、本格焼酎は製造法上、もろみ取り焼酎と粕取り焼酎に分けられ、前者は二次もろみに使うでんぷん質原料によって、米焼酎、麦焼酎、唐芋焼酎、そば焼酎、黒糖焼酎等と呼ばれています。
 後者は、清酒を製造した時の副産物である酒粕を原料として作ったものです。昭和50年代頃から各種焼酎が出回るようになり、焼酎ブームとなって、広く市場に浸透してきています。

2) 焼酎甲類(ホワイト・リカー)
  糖蜜等の農産物を原料に、これをアルコール発酵させ、連続蒸留機で純度の高いアルコールを取り、これに水を加えてアルコール分36%以下にしたものを焼酎甲類と言い、別名ホワイト・リカーと呼ばれています。味や匂いがほとんどない事から、木の実や野の花等を使用したリキュール作りにはもってこいのものとされています。

7.焼酎の飲み方と相性の良い料理

焼酎の美味しい飲み方は、オンザロック・水割り・お湯割りをはじめ、さまざまのソフトドリンクで割るやり方など、お好みに合わせて楽しめます。

 ところで水やお湯で割る時は焼酎は後から注いだ方が良く馴染みます。それはアルコールは水よりも比重が重いので水よりも下になるからです。

 しっかりした味の煮物、地鶏や、黒豚料理、きびなごの酢味噌和えなどの本場鹿児島の料理や、豚みそなどの、味の濃い、力強い食材、油の乗ったものや適度に甘みのある食べ物との相性が良いです。

幻?の焼酎もあります


当店の本格焼酎コーナーです。
幻?の焼酎を数本ずつ販売しています。

地酒ブームの際もそうでしたが、あまりにもプレミア価格がついて本来の価格を大幅に上回っており、販売をためらって参りました。美味しいお酒や生産者元詰ワインを適切な価格でお届けすることを信条にしております。

飲み手も蔵元もすべてがよくなる流通を願っており、美味しい焼酎は他にも沢山ございます。その点でとくにお勧めはいたしませんが、どうしても一回飲んでみたいとおっしゃる方へ販売を行っております。

通販でもご提供できる場合は開始いたしましたので、僅少ですが在庫がありましたらお求めいただけます。